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111年前の今日に思う、時計と磁気の距離

1914年12月18日――ちょうど111年前の今日、東京駅が完成しました。

正確なダイヤと共に動き出した“時の拠点”。

それはまさに、日本が「時間の正確さ」を大切にする文化を形にした日でもあります。


しかし、どんなに精密に作られた時計でも、見えない敵には抗えません。

その正体は、磁気です。


スマホの近くに置かれた腕時計。強い磁気を発する機器が時計に与える影響を示す例。
眠っている間に、時計は静かに磁気を浴びているかもしれません。

■ 磁気が時計に与える影響


クォーツ時計には永久磁石を使ったステップモーターがあり、磁気の影響を受けると磁力が乱れ、秒針の動作が不安定になります。

一方の機械式時計では、ヒゲゼンマイやテンプが磁化されてしまい、バランスが崩れて進み・遅れが発生します。


磁気は距離の二乗に反比例して弱まる性質があります。

つまり、わずか10cm以上離すだけでも影響はほとんどなくなります。

それでも、次のようなシーンでは注意が必要です。


  • 磁気ブレスレットや磁気ネックレスを着用している

  • スマートフォンやタブレットの上に時計を置いている

  • バッグのマグネット留め具が近い

  • スピーカーやPC周辺機器の近くに保管している


これらは、気づかないうちに時計を磁化させてしまう代表的なケースです。

現代の生活空間は、常に磁気にさらされています。


腕時計にコンパスを近づけて磁気帯びを確認している人。時計の磁気チェック方法のイメージ。
一緒に確認しましょう。

■ 時計が磁気を帯びていないか、簡単に確かめる方法


ご自分の時計が磁気の影響を受けているかどうか、我らがコンパス(方位磁石)を使って簡単に確認できます。


  1. コンパスを水平に置き、針が落ち着いた状態にします。

  2. 時計をゆっくり近づけてみましょう。

  3. コンパスの針がぐいっと動く場合、その時計は磁気を帯びている可能性があります。



針がわずかに揺れる程度であれば問題ありませんが、明確に反応するようなら注意が必要です。

そのまま使い続けると、内部の部品や回路が損傷し、オーバーホールや回路交換が必要になることもあります。



■ 軽度の磁気帯びと重度の磁気帯び


軽度であれば脱磁によって正常に戻ることもありますが、強い磁気を帯びた場合は要注意です。

内部の歯車や軸受けが磁化され、クォーツ時計では回路の異常、機械式ではヒゲゼンマイの変形や粘着を引き起こすことがあります。

この場合、オーバーホールや回路交換が必要になることもあります。



■ 磁気の種類と影響部位


下記の表は、時計の種類ごとに影響を受けやすい磁気のタイプと、その影響を受ける主なパーツの関係をまとめたものです。

時計の種類

直流磁気

交流磁気

影響を受けるパーツ

クォーツ時計

止まる

進み・遅れ

ステップモーター

機械式時計

進み・遅れ

進み・遅れ

ヒゲゼンマイ

スプリングドライブ

遅れ

進み・(遅れ)

電磁ブレーキ

(※磁気の種類や影響の程度により、症状や修理内容は異なります。)




■ 磁気から時計を守るために


  1. スマートフォン・スピーカー・マグネット類から10cm以上離して保管する

  2. バッグや財布の磁気留め具には近づけない

  3. 異常を感じたら早めに専門店へ相談する


COMPASSでは、磁気帯びによる不具合の点検・オーバーホール・回路交換を含めた整備を承っております。

もし時計が「最近ちょっとおかしいかも」と感じたら、無理に使い続けず、一度状態を確認させてください。



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