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不具合・症状から選ぶ

時計に不調を感じたら、早めの対処を

 

長年ご愛用の時計には、どうしても経年によるトラブルがつきものです。

大切な時計を長くお使いいただくためにも、不具合に気づいたタイミングで、迅速かつ適切に対応することが重要です。

たとえば――

 

  • オーバーホール(分解掃除)が必要かどうか

  • 不具合の原因が劣化によるものか破損によるものか

  • 部品交換が必要かどうか

  • 電池交換だけで直るのか

 

といった判断が求められます。

 

COMPASSでは、お手元の時計に現れている症状から、おおまかな対応内容を事前にご確認いただけるよう、簡単なチェックリストをご用意しております。

 

下記に該当するような症状が見られた場合は、お気軽にご相談ください。

早めのご依頼が、大切な時計を守る第一歩です。

時計を見る

クォーツ時計(電池式)

進む

想定される原因

主な修理・対処法

時期帯び、回路の不具合

磁気抜き(脱磁処理)

時計の金属部品が磁気を帯びてしまうと、ムーブメントに影響を与え、進みすぎる症状が現れることがあります。

このような場合は、専用の機器を用いて磁気を除去します。時計全体に脱磁処理を施すこともあれば、磁気を帯びたパーツのみを個別に処理することもあります。

 

オーバーホールと回路交換

進みの原因が回路の不良による場合は、オーバーホールと併せて回路の交換が必要になることがあります。内部の状態を総点検し、必要に応じた修理を行います。

​遅れ

想定される原因

主な修理・対処法

内部の油切れ

オーバーホール

クォーツ時計は高い精度を保つのが特徴ですが、内部の歯車に注油されているオイルが経年劣化することで、遅れが生じることがあります。

特に寒い季節にはこの症状が目立ちやすく、日中に装着していると正常に動いていても、夜に外して翌朝確認した際に遅れが見られる場合は、油切れによる典型的な兆候と考えられます。

秒針が4秒飛び・2秒飛びする

想定される原因

主な修理・対処法

電池切れ

電池交換

これは『EOL(End of Life)機能』と呼ばれる、電池残量の低下を知らせる動作です。クォーツ時計の中には、電池が残り少なくなると秒針が2秒または4秒ごとに進むよう設計されているものがあります。

なお、電池交換を行っても正常に作動しない場合には、オーバーホールによる内部点検が必要な可能性もあります。

時計が止まってしまった

想定される原因

主な修理・対処法

電池切れ、内部の油切れ、ムーブメント部品の破損

電池交換

電池交換は一見シンプルな作業に思われがちですが、裏蓋の開閉には専用の工具と技術が必要です。

 

オーバーホール

電池交換をしても動作しない場合、内部の油が劣化して動力伝達がスムーズに行えなくなっているか、部品が破損している可能性があります。

精密な内部点検と必要な整備を含むオーバーホールが必要です。お気軽にご相談ください。

電池の減りが早い

想定される原因

主な修理・対処法

油切れによる駆動抵抗の増加

オーバーホール

クォーツ時計は着用していない間も常に電力を消費しており、長年使用していると歯車の潤滑油が劣化して摩擦が増えます。これにより、通常より多くの電力を必要とする状態となり、電池の持ちが短くなってしまうのです。

「以前より電池交換の頻度が高い」と感じたら、ぜひ一度オーバーホールをご検討ください。

電池交換をしても時計が動かない

想定される原因

主な修理・対処法

​回路の故障、部品破損

オーバーホール

電池交換を行っても全く動作しない場合は、単なる電力不足ではなく、内部の回路やムーブメント部品のトラブルが疑われます。

特にクォーツ時計は、基板や電子パーツの供給が終了している場合、修理そのものが難しいケースもあります。

そうなる前に、早めのご相談とオーバーホールによる確認をおすすめします。

機械式時計(ゼンマイ式)

進む

想定される原因

主な修理・対処法

衝撃の影響、経年による精度の変化

オーバーホール

腕時計は精密機器ですので、衝撃や経年によって内部の歯車や調整機構にズレが生じると、進みが生じることがあります。分解・洗浄・注油・調整といった工程を経て、重力の影響や姿勢差なども考慮した精度調整を行います。必要に応じてパーツの製作や交換も行います。

遅れる

想定される原因

主な修理・対処法

潤滑油の劣化、内部部品の摩耗

オーバーホール

油の劣化やパーツの摩耗により歯車の動きが鈍くなると、時計が遅れる症状が見られます。内部をすべて分解し、洗浄後に新しい潤滑油を注油して再調整を行います。経年使用の時計には、定期的なオーバーホールをおすすめします。

止まり

想定される原因

主な修理・対処法

ゼンマイ切れ、パーツ破損

オーバーホール

動力源であるゼンマイが切れると、時計が止まってしまいます。また、パーツ破損が原因の場合もあります。いずれもムーブメントを完全に分解し、破損部品の交換や再調整が必要です。

持続時間が短い

想定される原因

主な修理・対処法

潤滑油の劣化、巻き上げ不良

オーバーホール

巻き上げたのに動作時間が短いという症状は、油の劣化で歯車の動きが重くなっている可能性があります。長くご使用いただくためにも、部品の摩耗を防ぐ早めのメンテナンスが重要です。

手巻:巻き止まりしない

想定される原因

主な修理・対処法

ゼンマイの金属疲労による断裂、巻きすぎ

オーバーホール/ゼンマイ交換

ゼンマイは香箱車という部品内に収納されており、交換の際にはムーブメントの分解が必要です。モデルによっては部品供給が終了している場合もあるため、お早めのご相談をおすすめします。

自動巻:巻き上げが重い

想定される原因

主な修理・対処法

駆動部の油劣化や摩耗

オーバーホール

自動巻き時計は毎日使っていると、3〜4年程度で油が劣化して巻き上げ効率が悪くなります。劣化を放置するとパーツ摩耗が進み、修理費用が高額になる場合も。違和感を感じたら、早めの点検をおすすめします。

リューズ(竜頭)

紛失・破損

想定される原因

主な修理・対処法

外れたり、強い衝撃によって破損したケース

交換(オーバーホールに伴って)

リューズが欠けたり取れてしまうと、湿気や衝撃から内部のムーブメントが無防備になります。オーバーホールとあわせてリューズを新しいものに交換し、全体の動作確認と防水性のチェックを行います。

針回しができない

想定される原因

歯車の損傷、巻芯とリューズの接着不良

主な修理・対処法

オーバーホール

針合わせ時に引っかかる感触がある場合は、内部歯車の破損の可能性があります。また、片方向の操作だけ効かない場合は、リューズと巻芯の接着ゆるみも考えられます。いずれの場合もムーブメントの分解が必要なため、オーバーホールを行いながら修理します。

ねじ込みができない

想定される原因

主な修理・対処法

ケースチューブやリューズのネジ山が摩耗している

交換(オーバーホールに伴って)

ケースチューブの交換はムーブメントを一度取り出す必要があるため、オーバーホールと一緒に進めます。ネジ山の摩耗は見た目には分かりにくいこともあり、専用工具と経験が必要な作業です。

固着(リューズが回らない・引けない)

想定される原因

主な修理・対処法

サビや汚れが内部に溜まっている状態

軽度:清掃

時計は日常的に汗や皮脂にさらされます。これがリューズ周辺に溜まると、サビや固着の原因になります。軽度であればクリーニング対応が可能です。

重度:交換(オーバーホールに伴って)

サビが進行している場合、リューズだけでなく巻芯も交換が必要になるケースがあります。この場合はムーブメントの分解も行うため、オーバーホールと一緒に実施します。

プッシュボタン

紛失・破損

想定される原因

外部からの衝撃、経年劣化

主な修理・対処法

交換(オーバーホールに伴って)

プッシュボタンが破損・紛失していると、防水性や耐衝撃性が損なわれ、ムーブメント内部への影響も懸念されます。オーバーホールに合わせて、新しいボタンを取り付けます。

手応えがない

想定される原因

内部パーツの破損やズレ

主な修理・対処法

​オーバーホール

押しても反応がない、軽すぎると感じる場合、内部のバネや連動するパーツの破損、または位置ズレが疑われます。この場合、ムーブメントの分解・洗浄・再調整が必要となり、オーバーホールのタイミングで修理します。

固着(押し込めない、押し戻らない)

想定される原因

サビの発生、汚れの詰まり

主な修理・対処法

軽度:清掃

時計は汗やホコリが付着しやすく、ボタンのすき間に入り込むと動作不良の原因になります。綿棒などを使ったこまめなお手入れで軽度の固着は解消できます。

重度:交換(オーバーホールに伴って)

汚れの堆積や腐食が進行している場合、プッシュボタンの分解洗浄または交換が必要です。高い精度が求められるため、オーバーホールと同時に専門の技術者による対応を行います。

押したあと戻らない

想定される原因

汚れやサビによる内部の動作不良

主な修理・対処法

清掃/交換(状態に応じて)

押し込んだまま戻らない症状は、ボタンの内部に異物が詰まっていたり、部品が錆びている可能性があります。汚れの除去で改善される場合もありますが、状態によっては部品の交換と分解洗浄が必要です。確実な修復のため、オーバーホールと併せた対応を推奨します。

文字盤

針が外れている

想定される原因

強い衝撃、振動

主な修理・対処法

針の再取り付け(オーバーホールと併せて)

外れてしまった針は、そのまま差し直すだけでは再び外れるリスクがあります。しっかりと調整を加えたうえで取り付けを行いますが、遅れや止まりなどの他の不具合を防ぐためにも、オーバーホールと併せての作業をお勧めします。

針のズレ

想定される原因

大きな衝撃、針とインデックスの接触

主な修理・対処法

針の位置調整(オーバーホールと併せて)

針は歯車の軸に圧入されているため、大きな力がかかることでズレが生じます。正確な位置に戻すにはムーブメントをケースから取り出して作業する必要があり、オーバーホールとあわせての対応となります。

インデックスの外れ

想定される原因

衝撃、振動、経年劣化

主な修理・対処法

インデックスの再接着(オーバーホールと併せて)

外れたインデックスは再度接着して修復しますが、その原因がムーブメント内部に影響を与えていることもあるため、オーバーホールを行って全体の状態確認と整備をすることをお勧めします。

文字盤の位置ズレ

想定される原因

衝撃や振動によって、文字盤を固定しているピンが外れたまたは折れた

主な修理・対処法

文字盤固定(オーバーホールと併せて)

ピンが折れている場合は再取り付けが難しいため、薄い両面テープでの固定処置を行います。作業にはムーブメントの分解が必要となるため、オーバーホールと併せて実施します。

文字盤の劣化・変色・腐食

想定される原因

経年劣化、水分の侵入、日焼けなど

主な修理・対処法

文字盤再生・リダン(オーバーホールと併せて)

文字盤は長年の使用や環境要因により、変色・腐食・コーティングの浮きなどが発生することがあります。再生(リダン)によって見た目を一新できます。こちらはオーバーホール時に追加オプションとして承ります。

カレンダー

カレンダーが半分だけ表示されている(半目状態)

想定される原因

パーツ破損、禁止時間帯(多くの時計で18時〜4時頃)の日付の早送り操作

主な修理・対処法

文字盤再生・リダン(オーバーホールと併せて)

日付表示のずれは、ムーブメント内部に問題が生じているサインです。分解して状態を確認・調整する必要があるため、オーバーホールと合わせての対応となります。

カレンダーが切り替わらない

想定される原因

パーツの摩耗、破損、接触不良

主な修理・対処法

文字盤再生・リダン(オーバーホールと併せて)

部品の摩耗や破損によって機能が正常に動作しなくなっている場合は、該当パーツの交換が必要です。分解・洗浄・注油・調整を含めたオーバーホールにて修理を行います。

防水機能

ガラスの内側に曇り、水滴

想定される原因

パッキンの劣化、リューズの締め忘れ

主な修理・対処法

オーバーホール

湿気がムーブメント内部に入ると、注油された箇所の油が劣化し、金属部品のサビを招きます。ガラス内の曇りや水滴を確認した際は、できるだけ早めのご相談・オーバーホールをおすすめします。

腕に装着すると曇る

想定される原因

ケース内部に入り込んだ湿気が、体温で温められた際にガラス内側で結露している状態

主な修理・対処法

オーバーホール

目には見えない湿気が内部に残っているサインです。このまま放置するとムーブメントの油の劣化や金属パーツの腐食につながるため、早期のオーバーホールによる点検と整備が必要です。

異音

時計の中でカタカタ音や異常な音がする

想定される原因

衝撃や経年によりネジが緩み、パーツ破損

主な修理・対処法

オーバーホール

外れたパーツの再固定や破損の有無を確認し、分解洗浄と必要に応じた部品交換を行います。異音は金属粉の発生や注油の流出を伴うことがあるため、早めのオーバーホール対応が推奨されます。

風防(サファイヤガラス・強化プラスチック・ミネラル)

擦り傷がある

想定される原因

日常使用中の接触による細かな擦れ

主な修理・対処法

磨き処理(オーバーホールと併せて)

細かい擦り傷であれば、オーバーホールと同時に無償で磨き仕上げを行います(強化プラスチック素材に限る)。

割れ・ひび

想定される原因

衝撃

主な修理・対処法

交換(オーバーホールと併せて)

破損した風防は新しいものへ交換となります。破片が内部に入り込んでいる可能性があるため、ムーブメント全体の分解・洗浄を含むオーバーホールと合わせて対応します。

外れた

想定される原因

衝撃、振動

主な修理・対処法

再接着または交換(オーバーホールと併せて)

外れた風防はムーブメントを取り出した上で再装着、または新しい風防に交換いたします。この作業も精密さを要するため、オーバーホールと同時に行うことになります。

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