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脳内に溢れ出した”存在しない”記憶
机の上に置かれた一本のロレックス。 ぱっと見は、年式相応のアンティークモデル。 ──しかし。 見た瞬間、胸の奥がざわついた。 文字のバランスや針の立体感、どこかが違う。 そんな違和感が、職人としての感覚を刺激した。 「……なんだ、このプレッシャーは。」 裏蓋を開け、ムーブメントを確認。 瞬間── 脳内に、溢れ出した“存在しない"記憶。 「どういうことだ...。なんでお前が...。」 中に収まっていたのは、 バンパー式の自動巻ムーブメント。 ローターが半回転してバネにぶつかり、“コツッ”と跳ね返るタイプ。 1940〜50年代、オメガなどで使われていた構造だ。 地元じゃ負け知らず......か。どうやら俺たちは親友のようだな だが、ロレックスでこの構造を見たことはない。 それもそのはず── ロレックスにバンパー式は存在しない。 しかもこの個体、ローターにはしっかりと「ROLEX」の刻印。 見た目だけなら信じてしまいそうな、 悪質な1品 だった。 中身はまるで別物。 いわゆる“フランケンウォッチ(混ぜもの時計)”と呼ばれるものだ。 外からでは見抜けず、
COMPASS 株式会社
1 日前読了時間: 2分


残す技術 ― COMPASSが考える部品交換
分解したムーブメント。パーツ一つひとつ丁寧に洗浄し、再び組み上げていきます。 オーバーホールとは、時計をいったんゼロに戻す作業です。 ムーブメントをすべて分解・洗浄し、磨き上げ、専用の潤滑油を注しながら一つひとつの部品を組み上げていきます。 その過程で重要なのは、 どの部品を交換するかではなく、どの部品を残せるか。 COMPASSでは、精度や耐久性に問題がなく、再使用が可能な部品はできる限り活かすようにしています。 長く動いてきたパーツには、その時計の歴史が刻まれています。 無理に新品へ置き換えるよりも、加工や調整で再び息を吹き返すことが多いのです。 メーカー修理では、ブランドごとの基準に沿って消耗部品として一律に交換したり、 場合によってはムーブメントごと入れ替えることもあります。 それは品質を一定に保つための正しい方法でもありますが、結果として費用がかさみ、 “まだ使える部品”が数多く姿を消してしまうこともあります。 私たちは、そうした画一的な修理とは少し違う立場にいます。 一つひとつの時計の状態を見極め、本当に必要な交換だけを行う。 それが
COMPASS 株式会社
2025年12月22日読了時間: 2分
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